時々気が向いてはほそぼそ書いてます。
お題は下記あたりから頂いています。
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「実力・話題性共に比肩なき新進気鋭の若手ハープ奏者リュミエール、3枚目のリリースにして初のシングル『Love』。ジャケットに初めて噂の恋人(※オスカー)との2ショットがフィーチャーされ、全宇宙でダブルビリオン(※20億)突破。」
「バイバイ」
「…ごきげんよう」
…それは当たり前にいつか来るものだと、ずっと思っていた。
想像が現実になった。それだけの話。
踵を返して、腕を掴まれて。
「…どうして素直にならない」
それは私の方ではないと思うのだけど。
貴方が、そういう事にしたいのなら。
期待などしなくなって久しい。
水の冷たさではなく、俺以外へのあの温かく優しい瞳をこちらにも向けてほしいなどと思う事は。
だが知っている、それでもなお目を合わせるのは、その先を待ち望んでいるからなのだと。
それが現実になった時、俺がどこまで狂うのか、その先が見果てない。
「貴方の事など、何とも思っておりません」
「本当か」
「本当です」
躰が寄せられて。
「本当なのか」
指先が絡め合わされて。
「本当です」
声が震えて。
「本当だな」
引き寄せられ。
「…本当です」
「…お前の中の、その言葉だけだ。嘘吐きは。」
重ねた唇で、囁かれた。
■えろいオスカー
だったら素振くらい見せれば、と俺が呟けば、
「あんたがそれ言う? 仮にリュミエールが本当にそうで、あんたに告ったとして、あんたにその気がなかったら、自分がどれだけ酷薄で蔑んだ態度取るか、自覚あんの?
リュミエールにしてみれば、一か八か、になんて賭けられる訳ないでしょ」
…手厳しい。
■すぶりじゃないよ、そぶりだよ。
というか意味通じる?これ。
ベッドの中の彼の所作は想像していたよりもずっと優しくて、猫可愛がりと言ってもいい程の盲目的な慈しみ方ですらある。
初めは意外の極みに感じたが、だからこそ彼は彼なのだな、と思い直した。
元より何の誓いもないこの情愛は、やがて飽きるかして、その始まりと同じく自然に消えてゆくのだろう。
■「いつになったら体の欲は消えるのだろう」みたいな構想だったはずなのに随分違うものに仕上がった
油断した、というより、犬猿の仲の同僚と二人で酒席、なんて場で、盃を干すのを躊躇ったと思われたくなかったのだ。睡眠薬か?
横たわった俺の服のひとつ剥ぐでもなく、ただ、キス。ただ一度きりの。
あいつが去った後、眠気に抵抗して微睡む間、微かな余韻を味わうしか出来ない。
後でお仕置きだ。
■かわええのー短編化したいやつだこれ
※「微睡」の元ネタ
「オスカァ」
俺を呼ぶ声と手招きだけが毛布から覗く。
「早く。寒い。」
「俺は懐炉か」
答えつつ潜れば素肌が触れた。寒い時は裸の方が早く暖まる、がこいつの持論だ。
「抱いていい?」
「嫌です。眠い。」
我儘な姫君だ、と昔言ったら窒息寸前まで頭を押さえられたので、黙って腕を廻した。
■久しぶりに強気なりゅみさんで、ただのぼんのー。
聖地の神隠し事件
高速艇虹色号の漂流トラブル
鉱石の惑星の暴動騒ぎ、その他諸々
オスカー様凄い、流石は炎の守護聖、など言われつつ
それらを鮮やかに片付けては全て俺の手柄に押し付けて去る水の守護聖の事を、俺しか知らない。
フォローしきれない、訳ではなく、心配しすぎて身が持たない。
■私の中での剣ハープのパーフェクトリュミさん、こんなん。
「離れるのが寂しい」
涙の理由を聴いて、言葉を失った。
そんな。貴方が。特別でも何でもない、こんな後朝に。
陽が昇ればまた直ぐ、宮殿で逢えるというのに。
「お前と一緒になるまで、ずっと孤独だった。離れるのは、寂しい。」
胸が痛んで、その尊い雫を、水晶にして閉じ込めたい、と願った。
静かな雨も止み、夜の静寂の中には、何も聴こえなくなった。
星の光すら、未だ届かずに。
この腕の、輪の中だけの世界の中、
何も聴こえず、ただ、私の胸の上で眠る、
貴方の寝息だけ。
「おすかー」「おりゔぃえ」「くらびすさま」「へーかー」
「足りない! あと何人だ?」
「ちびリュミを108人集めたら元のリュミエールに戻るって、どういう罰ゲーム?」
「666人じゃ無くて良かった、って事にしておけ…」
「すみません…」「すみません…」「す…」
「いいから黙ってろ…」
■ド直球(お題の解釈が)
公称体重が67kgだから、1人あたり620g。りんご2個分やね。
判った気がする、と思った次の瞬間、もうその深海色の瞳は謎めいた微笑を湛えている。
湖からの風に靡くその躰を捉え、こちらを振り向かせ、口付けたら
「…不思議な方ですね。貴方は。いつも。」
重なって薄く開いた唇から、鏡写しの想いのような台詞が返ってきたから、呆れて、笑った。
■オスリュミは判り合う事より、判らないながらも信頼し合う事を鍵としたい。
「賭けようか」
「争い事は好きではありません」
「まだ何も言ってない…」
■負けてる
「賭けようか」
「また、明日」
「脊髄反射はやめろ…」
誕生日の贈物だと渡されたその手紙で、罠を仕掛けられた、のだと気付いた。
彼だとて愚かではない。これが罠だと私が見破る事くらい千万承知なのだろう。
みすみす罠に嵌り、彼に愛されるかどうか。鍵は私に渡されて。
厄介なその手紙を胸に押し当て、溜息を吐いた。
■千万承知は四字熟語に見当たらないようだけど意味的には間違ってないので使った。
ところで甘いのを書きたいと思っていたのに、なぜこうなるのか。恐るべきオスリュミの誘引力。
彼と共にあるもう永い年月の間、ふと、ピリオドを打ちたくなる時がある。
どんな形であれ、その炎の愛情を止める事が出来るのは、きっと私だけであろうから。
■いいぞやれやれ
その力ない抵抗が、全く理解できなかった。
「…それは私の台詞です」
床上の靭やかな躰が淡い言葉を紡ぐ。
「私が疎いなら、措けばいい。私が憎いなら、殺せばいい。私が愛しいなら、愛すればいい。
…その全てが混茶混ぜなら、そう言えばいい。私は、逃げません。」
優しい抱擁に、力なく抵抗した。
「目を見つめたままのキスって」
暖かく、
「…意外と、難しいですよね。」
重なった唇からの囁きに、
「…そうだな。」
重なったままの唇で、答えた。
目を開けばすぐ近くの瞼は閉じられていて、
唇を離し、額を合わせて乞えば、
目覚めて微笑を湛え、俺を見詰める瞳に、
目が、離せない。
■ポエムか
夜明け前の薄明の中、開け放ったままの窓からの風と入り混じるように、淡い手付きで頬を撫ぜられた。
誘われるがまま、幻のようなその存在を、抱いた。
明け方の夢。
汲めども汲めども、指の間から溢れゆく。
目を覚ませば清冽な朝の空気に、蝶が一匹、朝露に翅を濡らし、ただ宙を舞っていた。
■ポエムか
「可愛くない台詞だな。誕生日だから何でもいいと俺が言ってやっているのに」
もはや意地で、奴の一番癇に障る言い方をした。
案の定すうと顔を青褪めさせ、だが
「…では、貴方好みの可愛い希望を。」
奴はその深い瞳に、幽幻のような光を宿して。
「…どうぞ、炎の守護聖様の一夜のお情を。私に。」
不本意な要件を思い出し、渋々ながら訪問した水の館は主不在で。
深夜と言っていい程の夜更け、まさか、と思って訪れた宮殿の、目的の扉から細く光が漏れている。
針の落ちる音すら聴こえそうな静寂に、躊躇った俺の、
「…オスカー……」
心の隙にそのドア越しの声が忍び込んで、全身が総毛立った。
「どうせ知っていたのでしょう! どうせ」
笑っていたのでしょう、と言ったのだと思う。
言葉半ばで身を翻し駆け出した躰を、片手で辛うじて捉え床に引き倒した。
「侮るな! 知っていたなら、」
首筋に噛み付くように唇を落とす。
「ここまで、放っていない。」
囁きに震える躰に、嗜虐心が煽られた。
■手を出さなかった事について「侮るな」と言っちゃう貴方もどうかと。
あの日に戻れたら貴方の想いを受け入れはしない、こんなに哀しませるのなら
そんな言葉の途中で思い切り躰を引き寄せ、掻き抱いて、涙と涙が交わった。
「何度戻ろうが、俺はお前を愛した。何度でも。」
あの日に戻れたら、なんて、
そんな戯言を呟く位なら、
俺は全身全霊を賭け、未来へ希望を繋ぐ。
「…あの日に戻っても。
私は、やはり、貴方の想いに応えなかったと思います。」
夕陽の無数の煌めきを映す湖面へ、水の守護聖が呟く。
「…駄目だったよ。結局。」
振り返った姿に、笑い掛けて。
「…俺は、愛している。今でも。ずっと。」
俺を見詰めた綺麗な瞳は、やがて子供のように涙に溺れた。
「お前は俺の大親友。今だけでいいから」
「…何ですか、それ」
「いいからさっさと癒せ。嫌とは言わないだろ」
私を抱き込むその表情は見えないが、意図が読めない普段の皮肉に比べれば主張が明確な分だけましではある。
外と内を入れ替わって緋色の頭を抱き抱えたら、私の腕の中で彼の溜息が籠った。
■甘えるオスカーがちょっと好物(たまにでいい)
「信じてるよ、と言っていいのか?」
「オスカー、改めてそんな事を仰らなくても。わたくしはいつも貴方を、貴方だけを愛していますよ」
「リュミエール……」
「あ、クラヴィス様。ではオスカー、わたくしはこれで失礼しますね」
「ちょおおおおおお」
リュミエールは体調不良で午後から登殿予定、オスカーは少し遅刻して朝からつやっつやしてるもんだからさ。
「また朝寝坊?」
って皮肉を言ったら、
「違うな。早起きして一仕事済ませたんだ。」
って返されたから、リュミエールの分も込めて一発殴っておいた。
「…押し倒されたのは、これが初めてですね」
俺の下でくすくす笑う、その指先に指を絡め
「…誰が何と言おうが、もう、離しはしない。絶対に。」
そう決意を告げれば、
「…私の百日を、貴方の一日に贖おうとも。
只人となって、ようやく。
この身全てを、貴方に、捧げます。」
微笑む気配が、返る。
■判りづらいなー守護聖の一日は一般人の50日(約)相当。飛空都市換算では。
255代で宇宙の寿命が来るぐらいだから、聖地換算だと多分もっとひどい
「…そう、仰られましても」
ふ、と、透徹な瞳で見返され。
「貴方は、曖昧な態度を是としない。私は、是とする。…ひとの心を2つに割って、何が愉しいのですか?」
意図せず緩んだ指先から、手首がするりと抜け去り。
「…私と貴方の間には、超えざる紗がある。ご承知下さい。」
青い流れが、翻った。
何かを言おうにも胸が詰まって何も言えず、ただ力の限り、その華奢な躰を壊さんばかりに抱き締める事しか出来ない。
こんな物が。こんな物が愛情表現と言えるのだろうか。
「…大丈夫ですよ」
俺の強い拘束から身動いで、辛うじて伸ばされた手が背を撫でる。
「判っています。愛していますよ。私も。」
■華奢かどうかは各人の趣味と解釈によりけり
あの炎の守護聖が。
「…オスカー?」
囁いても木陰の下、熟睡している。
そっと身を屈め、その炎のような緋色の髪に、触れた。
「…全く」
気配の去ったその場で、思わず呟いた。
狸寝入りにも気付かず、何をするかと思いきや。
「…触れても、いいのか?」
次は、俺が。
そして永遠に、離さずに。
■いざ本当に捕らえてキスしようとしたら唇を人差し指で押さえられて
「…好意を持たれれば、誰にでもそのようになさるのでしょう。貴方は。」
って辛そうな顔されて目を逸らされる
っていうおまけが降ってきた
まー。噴水の傍らに。
「女神みたいねぇ」
呑気な私の発言を無言で押し留めて、眠るリュミエールへオスカーが近づいていく。
短剣を抜き、驚く間もなく水色の髪の一筋を切り、手早く丸めて、キス、ちょ、内ポケットへ収めて。
戻ってきたあいつは言った。
「…もう一度、その時は、と、思っていた。」
■寝ネタ+髪ネタで2本140字制限がきつい
星の間にその姿を認め、多少ならず驚いた。
「休んでいないと駄目だろう」
星の求めが水に集中し、体調を崩して。
「ええ。でも」
宙空の星屑を見上げ、小さく歌を口遊む。
きらきら星よ 綺麗な星よ…
「…精一杯輝く星々に、応えたいのです。」
振り返り柔らかく微笑う姿を、背後から抱き締めた。
■仕事をする守護聖様がすきなのよー
彼が何を言っているのか、もはや耳に入らず。
そもそも男性同士で。女王への、他の守護聖への体面は。いつか必ず、訪れる別れの運命。抱えきれぬ事象が次から次へと溢れ。
なのに。
なのにこの身は、こんなにも、全身で貴方を求めている。
伸ばされる腕から逃れる事も出来ず、ただ、抱き締められた。
この宇宙に女王は既に亡く。
膝の上では、水の麗人が凭れ。
夜空を仰ぎ、徒然に想う。
なぜ、この世界に二人して留まったのか。
記憶はもはや曖昧だったが、空を覆うほどに巨大な朱い月を見ていると、今この時こそが何より自然な事のように思えて。
艷やかな髪を撫でれば、吐息があどけなく溢れた。
■どういうシチュエーションだ壊れゆく世界ベタもベタでべったべた
「いい月夜、より、妖しい月夜、の間違いじゃないか」
「野暮言わないの」
誘いを受けて訪れてみれば意外にもハープが、それも常のお優しい音でなく、ひとの心の奥底を緩やかに掻くような。
注がれたワインを口に運ぶ俺を、見遣るその視線すら幽艶めいて。
「…まあ」
たまにはこういうのも、悪くない。
■ベタじゃない話用にとっといたら結局ベタベタだった。オリヴィエ様好き。
結局、言えなかった。
服地の羽を弄びながら、ずっと私の言葉を待ってくれているのに。
この想いをもう独りで抱え切れず、相談したくて、結局。
曖昧に微笑み、謝罪して離席しようとして。
「つい最近、全く同じ表情を見たよ。…こんなに顔立ちも違うっていうのにね。」
…聞きたい?と、問われた。
■以降12作、お題縛り3種類(中堅/成立後/他人目線)でそれぞれ4作ずつ。各話の内容に関連はありません。
半ば命令された仲裁の酒席だってのに、言い訳大会はとうとう直接対決の様相を呈してきて。
「あんた達さぁ」
いい加減ウンザリだし私も酔ってるし、もういいや、言っちゃえ。
「それだけ理由を並べ立てないと、嫌いになれない訳?」
ガシャン、とグラスが同時に落ちて。
ほらね。
勘違い、じゃない。
どんなに緩慢でも、私達の手から、時の砂は溢れ続けている。一時も留まる事なく。
オリヴィエのエスプリ。オスカーの皮肉。美酒とオードブル。絶える事のない笑い。
こうやって、二人と共に在る時間。
聴くばかりの私に、あんたの笑顔が一番の贅沢、と戯れ、オスカーが私を引き戻す。
なんて贅沢。
普段は線引してるリュミエールが、昔、一度だけぼろぼろで私の所へ来た事があった。
後日オスカーに、何があったか斬られんばかりの形相で訊かれたけど、絶対話さなかった。
何も無かったんだな、の問に、当然でしょ、でお終い。
あいつには想像も付かないあの一夜は、この先ずっと、二人だけの秘密。
■何だろうなぁさっぱり判んないけどたまにはそういうのもよかろう
言えなかった。
僕のお願いを聴いて、なんだか複雑な表情を見せたあのひとに。
一緒に炎邸の薔薇の手入れをしながら、憂う表情で、でもとても優しい手付きだったそのひとに。
「…っ…」
棘が刺さったその指から、一筋の血が流れ落ちて。
…言えなかった。
…オスカー様の事が好きなの?、って。
俺との稽古とはまた違った雰囲気で、オスカー様が剣を構える。
リュミエール様が片手をゆっくりと天へ差し伸べて、星の間にお二人のサクリアが満ち始めた。
見る間に辺り中が眩い光に包まれ、炎と水のサクリアが共鳴して、
…リュミエール様の頬が火照っているように見えるのは、
勘違い、じゃない?
■人に非ざる力を放出してそれが共鳴するってえろ以外の何物でもなかろう 多分オスカーはこういう時サクリアでリュミにめっちゃえろえろしてる 剣の暗喩ってもうえろ極まりない。
オスカーはあとから煽り立てていかせるのが好きだから多分先に口火を切るのはリュミの方(どういう妄想だ)
成る程ね。
水の守護聖様の、あの方への、いつにも増した冷たい態度。と思ったら、そういう事か。
一種の暗号。二人だけの。
少し稚げな拗ねた表情も、その人を捕らえる焦りの表情も、口付けの後の花のような微笑も、随分とお綺麗で。
まあ、贅沢な物を見せてもらったかな。
さて、何に書き写そうか。
■お約束な成り行きピーピング
デキてるって知ってから、時々やべー雰囲気に気付く。
空を見て憂うリュミエール。
帰ってきたオスカー。余裕を装いながらその実、獣みたいな気配で。外界時間で3週間だったっけか。
控えめにも色香漂わせ微笑うリュミエールの片腕を掴む、その唇の動きが見えた。
犯し倒してやるから待ってろ。
おい。
■ちょ(秘めない秘め事)
「お気をつけて行ってらっしゃいませ。くれぐれも御身お大事に。」
甲斐甲斐しく俺の視察準備に立ち働く身を片腕で捉えれば、柔らかく微笑んでごく自然に唇を重ねる。
少しは心配したり、寂しがったりして欲しくもあったけれど。
言えなかった。
俺に全幅の信頼を寄せるその姿が、何よりも美しくて。
…勘違い、じゃない?
熱くなる目元を意識しつつ振り向けば、
「察しが良くなったな。…いや、諦めが早くなったと言うべきか?」
お前はずっと、気付いていたものな、と、吐息と欲情が耳に注がれる。
「いい子だ」
私の頭を撫で、掌で抱え込み、それだけで終わらない口付けが私の中へ忍び込んできた。
なんて贅沢。
心ゆくまで愛され微睡む私を、優しい手で、眼差しで包む、世に二人とない存在の。
「…貴方の1分を、幾らで購えばいいのでしょう」
「また急に俗な話を」
笑う貴方。
「お前の愛はプライスレスだからな。幾らでも値付けてくれ」
「…じゃあ、飴玉一個分位?」
「やっすいな」
笑う貴方。
■最終的にオスカーの1分=薔薇1本分くらいで話が纏まる(←)
「や、あ…は、オスカ、ぁ…」
何故ここで、という問いを唇で塞いで、今はもう、息も絶え絶えに、躰は熱く、瞳は潤んで。
億千万の星々が、俺達を囲む、この部屋で。
だって。こうすれば。
いつかお前が何処に行ったとしても、全ての星が、俺達を覚えているだろう?
俺の愛を、思い出させるだろう?
■秘め事がことごとく秘めてない
夜に香りを強める月下香の群生に顔を綻ばせながら、どうして、と言いたげな表情で振り向いたのを、視線を反らし気付かない振りをする。
俺の訪問を、いつもの関係だけ、のつもりで迎えたお前を、ここまで連れてきて。
花に目を戻した横顔を、改めて見遣る。
好きだと言えたら、何かが変わるだろうか。
■あー身体だけの関係だーいーけないんだいけないんだーいいぞーもっとやれやれー
星でのトラブルという緊急事態。
巻き込まれたのがランディでもオリヴィエでも、例えジュリアス様でも、冷静に対処する自分を想定できる。
だが今の俺は。これほどに焦燥し、激昂し。
己を取り戻し、無事に救い出すため。
すぐにでも認めなければならない緊急事態だった。
あいつを愛している、と。
■自分の気持ちを偽ったがためにちょいちょいツケを払わされる我が家の赤い人たち
夕暮れ。
こんなに遠くの貴方の、影は草原に長く、私の足下まで伸びて。
朱い景色の中でなお緋いその姿は、紛れもなく、あの地で別れた最後の一瞬まで、愛した貴方。
足は震え、喉は締められたようで、視界は涙に塞がり。
ただ立ち尽くす私の名を、振り返った貴方の愛しい声が、力の限りに叫んだ。
■退任後な
「逢いたかった。逢いたかった、オスカー」
今の彼には彼の生活があると判っているのに、縋る腕も溢れる想いも留める事が出来ず。
「俺の半身はお前だけだ。待っていた。」
心を見透かすような言葉になお震えて。
「また、ここから始まる。お前と、二人で」
一番星の下、誓いのようなキスが降った。
■つづきものー
10年としてリュミ27歳、オスカー38歳くらいでどうだろう(えろいなと思う思考が程よく腐ってる)
急ぎの要件で私邸を訪れ、所在を聞くと案内も付けず入って。
想像は、していなかった。
女と一緒、だなど。
客間に促され、男なら当然と言い聞かせながらなぜ、これほど混乱しているのか。
「悪かった」
軽装で現れた水の守護聖に言えば、
「お気になさらず。事故ですから」
その微笑が、判らない。
■きゃー
いや男性だし