以前に半年ほどやっていたTwitterで書いた140字SS (ショートストーリー?)です。
設定・甘辛・脈絡てんでんばらばら。分類しようともしましたが、結局書いた順に並べます。
比較的どうでもいい一言コメント(あるいは釈明)付き。
お題は下記あたりから頂いています。
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一度でいいから恋人のつもりで、と、震えの止まらない声で強いた。
いっそ滅茶苦茶にしてくれれば何も考えずに済むのに、無言のまま極上に甘やかな手付は彼なりの復讐かもしれない。彼の望まぬ事を望んだ私への。
恐くて目を開けられずにいたら、愛している、と囁かれ、優しい虚構に涙が溢れた。
■いきなりねたネタ
「おかえりなさい」ととびきりの笑顔で迎えたら、彼の顔が酷く歪んだ。
「それがお前の本性か」
「人聞きの悪い事を。ここへいらっしゃったのは、貴方の自由意思。そうでしょう?」
勝手に幻惑されたのは、貴方。
「…それとも、このままお帰りになりますか?」
応えもなく、首筋に噛み付かれた。
■ねないと気が済まないのか
あと、あまりに個人が特定されなさすぎて、非敬語x敬語CPならどこにでも適用できそうだ
「こちらは大丈夫ですから、どうか貴方の仕事に集中なさってください」
いつもと変わらない、涼やかな笑顔で。
「無論だ」
通信が切れ、精一杯の笑顔を貼り付けていた俺の無様な表情が漆黒の画面に跳ね返った。
一秒ごとに宇宙の虚無へ溢れ落ちるその命を留める様に、俺は思いきり拳を握りしめた。
■精一杯の笑顔を作るのは青い人じゃなくて赤い人だよねって思った。
面白いデバイスを手に入れたので、透明な水色の宝石をあしらってみた。
揺れるチャームを人差し指でつついてみる。
「貴方なんて嫌いです、オスカー」
珍しく感情を露わにした、その声。先程の。
もう一度。
「貴方なんて嫌いです、オスカー」
揺れる煌めきが繰り返す。
お前の声が離れない。
■うちの赤い人だいたい歪んでる
真意はいつも伝言ゲームのように歪むから、いっそのこと徹底的に形態素解析をしてみた。
虐殺器官から紡がれた言霊の糸に、貴方が絡め取られるよう、嫌悪の形をした愛の言葉を織り上げる。これが祈りであると、貴方に気付いてもらえることを願いながら。
そのうちに、ほら、夜のテラスに貴方の気配。
■お題が時間切れになってしまった。ちょうむずかしかった。とりあえず検討中のものを。
伊藤計劃『虐殺器官』万人向けではありませんがおすすめです。伊藤計劃先生、あまりにもの早逝が悔やまれる。
きつい瞳も強がる唇もすりぬける髪も撥ね退ける手も立去る身体も
見開く瞳も言葉を失う唇も流れる髪も躊躇う指も逃げない体も
潤む瞳も震える唇も乱れる髪も力の入らない腕も崩れそうになる躰も
全部そのままのお前でいい
だからまたその心の扉を、何度でも開けて、ねぇ。
■誰にでもお気軽にご利用いただける3ステップだけの簡単なSSです
「だから真剣での手合わせは危ないと、」
「ごめん」
後ろから抱き締めつつ、薄い笑いを隠せない。指でなぞる。頬から耳朶へ、一筋の赤い傷。俺が付けた傷がこんなにも背徳的に嬉しい。二度と消えなければ良いのにとさえ思う。
「…強くなりましたね」
優しく近づく手を掴み、ベッドに押し倒した。
■「二度と消えない」になってるし。甘味成分不足による執筆バイアス。成就した後らしい剣ハープのオスカー(たぶん勝負自体は今回も負けてる)
事が終わったあとは存分になでなでされているに違いない(リュミがじゃないよ、オスカーがだよ)
売り言葉に買い言葉で挑まれたので大して考えもせず応じただけなのに、リュミエールはずっと夢現にゆらめいたままで。
やがて覚醒した瞳はこちらを向き、いたたまれないように哀しく微笑って
「…ありがとうございました」
ほとりと一粒涙を落とした。
息も出来ない自分自身に、まずい、と思った。
■「お題の単語を使ってないのがポイント」系。
泣くのと死ぬのは反則ってことで普段は書かないようにしてるのですが(ねるのは反則じゃないのね)
「何のつもりですか」
「ごめん」
気配だけで身が切れそうだが、冷たい背中を抱き締める腕は離す訳にいかない。女と付き合うのとは訳が違う、甘くない事は知っていた筈なのに。
「…次はありませんからね」
振り返る瞳は絶対零度の透徹さで。
「ごめん」
溶かすべく、深い口付けを開始した。
■お題の単語を使ってな(ry 第2弾
なにをしっぱいしたんだあかいひと
今日も向けられるその冷たい瞳に、時々力の限り叫んでやろうかと思う。
俺は弱い男で自信など欠片もなくて今日も女々しく愚駄愚駄してて、そのくせお前をずっと死ぬほど愛してるって。
その時お前は、どんな顔をするのだろうか。
今日も祝杯を上げて俺は嬉しく思うが、リュミエールは複雑な気分らしい。
付合い始めの日はもちろん月例、他にも何かある毎に周期的に祝う。
「今日は何の記念日かわかるか?」
「…うっすら心当たりはありますが、できれば聴きたくないです…」
目を伏せて目尻を染めているから、多分判っている。
■かわええのー
「だから違うって」
「…そんな言葉じゃなくて」
青い燐光を放つ瞳は完全に幽鬼のようで、滅茶目茶恐い。
観念して両手を挙げた。
「…判った。俺が全面的に悪かった」
「覚悟はできているんでしょうね」
「出来ている」
次の瞬間、思い切り殴られた。
■何故故にオスカーやらかしちゃった週間
耳まで真赤にして寄添うのが精一杯で。少し探って直ぐ解ったから、隅から隅まで丹念に辿ってやった。
男の知覚神経系は普通大雑把なのに、こいつはそういう意味で性別離れしていて、よっぽど脳の体性感覚野が広いんだと思う。
僅かな刺激にも躰を震わせるその肌に、普通の男の俺までが全身総毛立った。
■できるだけ主語述語目的語を省き種々織り交ぜた学術用語のカムフラージュに包みつつどストレートな○○をTLに流す
「訊かない約束でしょう?」
「そうだけど」
身支度を整える私の背後で、彼は横になったまま煙草を燻らす。
道端の蒲公英とでも思って欲しい。散々踏まれて卑小になっても貴方の傍がいいのだ。さびしんぼ。
それでは、と言ったら
「また来いよ」
この時だけはいつも優しく、頭を撫でられた。
■えーと、この状況はこの文章だけで通じるかなぁ。珍しく退廃的なシチュエーション。
「訊かない約束でしょう?」
「そうだけど」
躱されて、平静を装う為の煙草がこの上なく不味い。
躰も声も、与えられたものは多すぎる程だが、お前の心だけは貰ってない。
それでは、と告げられて
「また来いよ」
軋む胸の痛みを隠しながら優しく頭を撫でるのが精一杯なのに、お前の顔が歪んで。
■続き物!
逃げる手首を戒めて問う。まさか。
「…訊いてもいいか?」
顔を伏せ震えて、小さく力無く首を振る。
「判った。訊かない。俺が言う。お前が欲しい、心まで」
ようやくこっちを向いて見開いた「信じられない」と語る瞳に、矮小な自尊心が鯨のように自由になるまで骨が折れるだろうな、と笑った。
■こじつけにも程がある!(お題)
続き物その3。推敲不足。
「お前、自分は一人ぼっちだと思っているだろう」
「?? そうですけど、何か?」
瞳をくりくりさせて恐ろしい事をさらりと答える。恋人同士になっても、未だ驚くほどの孤独の中に居て。
「誰でもそうでしょう?」
無邪気に笑うお前を泣かせる事になっても、俺がいつか愛を教えられればと思う。
■孤独が当然なリュミ、奮闘するオスカー。
彼の中に吸い込まれてゆく液体を、ついうっとり眺めてしまった。
これからあの薬液は、彼の中で彼を扶け、彼の一部となるのだ。羨ましい。
「…お前、また変な事を考えているだろう…」
珍しく病魔に侵された彼が呟く。ばれた。
「治ったらお仕置きだ」
楽しみにしてます、と、緋色の髪を撫でた。
■不思議ちゃん。
肩を抱えられ、何故こんな事に、と思う。
「酔ったふりをしたくて飲み過ぎて酔ったからだ」
驚いて見上げ、どうして、と目だけで問うたら、哀しい瞳で
「…ずっと見てるから」
そんな残酷な言葉を、貴方は。
縺れる足で逃げようとしたら、大きな掌に頭を抱え込まれ、深く深く口付けられた。
■割り切り系とか不思議ちゃん系とかにどんどん走りそうだったので一度ストレート甘々系に戻そうとしたんだけど、ちっとも戻っていない気がするのはなぜだろう
「さわらないで」
甘やかな腕の中に抱き留められて身体が震える。大きな掌が確かめるように動いて、悲鳴を上げそうになった。
「やだ。さわらないで」
「…言ったろ。ずっと見てるって」
宥めるように低く囁かれて足が萎え、両腕を彼の首に巻きつけた。
私の心に、触れてもらえるのだろうか。
■ストレートに甘々第2弾
誕生日
何も欲しくなどないですよ
と言ったら
前夜祭をされ日付が変わっておめでとうを言われ一緒に眠って起きて食事を作られ髪を洗われ手入れされ爪を磨かれ散策に出てキスされ帰ってもう二度食事を作られケーキと美酒を用意され
夜は全身嫌というほど甘やかされた
次はちゃんと決めておきます
■甘々を通り越してバカップルの領域に足を突っ込む
出会って最初の二人の時、愛の言葉と共に口付けられた。
これきりで、と告げた。
爾来、向けられ続けてきた敵意が嬉しかった。
見ているだけで幸せだった、だから。
なのに。なぜ今更。
「一瞬たりと忘れた事はない」
押し殺した声の彼の重みに、痛い歓びに、全てが無駄な抵抗だったと思い知った。
■せーいとーうはー。かな
何年か振りに触れた唇は、最初の時と同じように深い想いを伝えてきた。
これきりで、と告げられた、あの涙の意味を知らなかった。
恥に歪んだ想いを怒りに包んで抱き続けた。
「…ずっと独りにして悪かった」
腕の中でぼろぼろ泣くお前。
最初から無茶な話だったんだ。見てるだけ、なんてのは。
■続き物ー。「無茶」と「振り」が分離してるけど(それでいいのか)
そんなトコが、と看過出来ないほど険悪さが加速したので、オリヴィエは全てを察しているらしい女王候補達から2色のペンダントを借り(これも意地の張合いの結果だ)、3人で森の湖で祈った。
近づく2色の足音を確かめて離れ、3人で大笑いする。さて、上手くいくか。
この子らのこんなトコ、最高。
■ルトゥール設定。これ(お題)確実にオリヴィエですよね。
文字数制限きつい! けどこれは楽しい話だわーちょっと短編化したくなる。
森の湖は一人で祈るものだけど、これはいいんじゃないのかな。当事者じゃないし。
「…眠るまで傍に居てくれませんか」
「なんだ、珍しく可愛いことを言うな」
その力強い掌で撫でられる。
このまま眠りに就けば、一緒にいられるかもしれないから。この後、貴方が何処で、誰と、何をしているのかなんて考えずに済むかもしれないから。
せめて夢でくらい、夢を見させて欲しい。
こうして意見はいつも相違する。
私の発する言葉が、星々にとって、如何に甘いとも生温いとも取られようと構わない。ただ私は、貴方にだけは一寸たりとも侮られたくはないのです。
だから、こちらを向いて。その冷たい瞳を私に向けて。
涼やかに麗しい水の守護聖殿が、たまにこうなる。憂いを帯びた一瞬の視線、髪を流す手付き、覗く首筋の白さ。瞬間ごとの無意識の爆弾を、理解できずとも受信はしている年少組たちが、訳も判らずどぎまぎしているのが本当に心臓に悪い。
「とっととなんとかしてくれる?あれ」
オリヴィエに呟かれた。
■えろいいねにちょっといやされてきた
執務が忙しくて暫く断り続けた私が悪いのだ。彼は悪くない。
「本当に心臓に悪い」
「…ごめんなさい」
どうしても星を優先してしまう私を理解してくれているから、二番目でも良いですか、とは敢えて訊かない。
それでもこうやって全身たっぷりと愛されて、彼の腕の中にいる私はなんて幸せ者。
■大変甘くてよろしいかとは思いますが、これ、世間に流していいのか。第2弾
このまま月夜の幻にして欲しいのだろう。
陽の光の下で、いつもと何ら変わりない優しい風情の水の守護聖。俺だけに向けられる憂いに満ちた言葉も普段通りで。
だがお前に絡められた俺が、お前に密かに絡めたあの夜の証。
月の白い面に落ちた血のような、耳朶の裏の紅い印。
幻にする気など、ない。
■ともがみなわれよりえらくみゆるひよ はなをかいきてリュミとしたしむ
弓月の薄明かりの下、貴方の手を引く。後ろは振り返らない。彼だとて見られたくはないだろう、いつもの力強い彼に戻れば、今この一時は大いなる不本意な記憶となるに違いないのだから。
それでも、この一瞬。私が貴方の灯火になれるというのなら。
どうぞこの手を離さず、はぐれないよう着いてきて。
もっと欲しい
どれだけ愛しても愛し足りない
と貴方は仰いますが
普通それを
恋の病
と云うのです
■これが一番しっくりきた
胸が痛い、胸が苦しいって訴えて「狭心症か大動脈解離ですか」ってリュミ様に優しく訊かれたい
サイトや小説を見てくれた方から「リュミ観が合わない」ってちょいちょい言われて、そうかなあって思いとそうだよなって思いとがしばしばせめぎ合う
「リュミエールは俺のものだ。手を出すなよ」
硬直する年少組と大真面目の炎の守護聖。
「私、いつから貴方のものだったんですか?」
硬直する炎の守護聖。
「リュミエールの所有権? 私も今からエントリーしようカナ」
■まさかの参戦(設定は開発中のものです。仕様は変更される可能性があります。)
「会いたいねェ。3日の視察って言っても長く感じるよ」
「会いたいです、僕の庭に咲いた花を早くお渡ししたい!」
「会いたいな…あの者の笑顔を見ると、宇宙の平穏を実感するのだ」
「…そうだな」
「なんだよオッサン、こんな時でもだんまりかよ?」
会いたいよ。誰よりも。愛しているから。
■オールキャストに2人足りない。
宮殿で執務を続けていると政務官がいつまでも帰れないから、こうやって私邸に持ち帰っているというのに。
「だと思った」
困ります、オスカー。
「最近よく寝てないだろう。たまには日付の変わる前に休め」
寝室に抱え運ばれ、勝手知ったるで彼ごとベッドに埋められる。
「おやすみ」
また明日。
伝えたい事がありました
「優しいフリをして自分を守っている」
違う。私は
「逃げるな。自分と向き合え」
我慢せずともよいのですか
「自分を認めろ」
…では、遠慮なく。
唇を深々と重ねて、呆然とする彼を置いてその場を立ち去りました。
貴方も、少しは悩めばよいのです。
■To be えろ or not to be: that is the question:
SSへのアンチテーゼとしてのSS。notえろver。
「長期の視察の後でお疲れでしょうに。…それとも、だからこそ、ですか」
確かに気が昂ぶっていて、
「…我慢しなくていいですよ」
麗しい水の佳人に、頬に手を添えられ、とろりとした優しい声音で、寝台の上で。
「たまには、滅茶苦茶にしてください」
理性の飛ばない男が、どこにいるだろうか。
■This is an えろ version.
彼女らが言って欲しい事を言ってやる。これに尽きる。
香水、変えたんだな。これ以上魅力的になって、俺をどうするつもりだ?
今日も綺麗だ、いや失礼、今日はもっと綺麗だ。
ありがとう。いつも細かいところまで気付いてくれる君は素敵だ。
……。
「オスカー?」
おはよう、愛してる。
■「愛してる」で落とすの2回目。いくない。
「リュミエール!」
飛び付くように抱き締めた。
「待たせたな。声を聞かせてくれ。元気だったか?ちゃんと食べていたか?俺の…」
すらりとした人差し指が伸びてきて、俺の唇を押さえ、言葉が途切れた。
「お帰りなさい、オスカー。…お待ちしておりました。」
久しぶりの、二人きりの休暇。
■「声を聞かせろと自分で言ってるのについ畳み掛けて喋っちゃうオスカー」を表現したかったのに、圧倒的に文字数が足りない。
年少組達がはしゃいでいる。リュミエールの手作り弁当で遠足?
「貴方はその日、ジュリアス様と遠乗りでしょう?」
知っての事か。底意地が悪い。
「…この昼食を、リュミエールが?」
「ああ、今日の予定を話していたら何故か、な。年少の者達が羨ましがったので、彼らもどこかへ行くそうだ。」
■「前後が逆」。素敵な意地悪ですねー。うっかりジュリリュミぽいが、本命はちゃんとオスカー。
セピア色の記憶、なんてのは誤った比喩だろうと思う。恋をしてきた彼女らの姿は何年経とうが鮮やかに蘇って。
けれど今、その全てを覆い流そうとするのは、噴水よりも清らかに眠る水色の色彩。
初恋と聞いてあの日を想う戸惑いを、いつかあの色彩に埋もれたいと願う自分を、密かに自覚しながら。
■ごくふつーにー。真面目に答えると初恋の相手は幼稚園の先生か草原惑星の子供たちに乗馬を教える近所のおねーさんだと思う。
「ほう。もう一度言って貰おうか」
攻防のラインを一歩踏み越えてしまったと、気付いた時には遅かった。怒ってる。困った。
「…貴方の事が好きだから。つい…」
つい、苦し紛れに。
彼の強い気配が、くる、と翻転し、何かと見上げた瞬間、その熱い身体の中にいた。
え。え。
唇を唇で塞がれた。
■え、え、って思いながらそのまま最後まで、のルート。
訊かせて頂きたい事があるのです。
貴方の強さに見合うだけの優しさを、私は持ち続けていられたでしょうか。
私は、貴方の対として相応しい存在であれたでしょうか。
最後の今、ただ、ただそれだけを願います。
何処へ行こうとも、どれだけ時が過ぎようとも、
私の心は、永遠に貴方の下へ。
「オリヴィエ、酷いんです。オスカーときたら女王候補と一時間も仲良く…」
「よしよし可哀想に」
「ごろごろ」
「…リュミエール」
「そこから動かないで下さいと言った筈です。あと59分」
「まだ時間はたっぷりだね。何、しようか?」
「…何、します?」
「オリヴィエ! リュミエール!」
■こっちの都合のいい時に召喚してもいつも付き合ってくださる夢様に本当に感謝ですありがとうございます
これが闇様だったら冗談で済まなくなる
「内緒、だよ?」
身支度を終えた彼が流し目で囁くのを、まだ呆然としたまま聴くしかなくて。
なんてなんてなんてことを。というか、なんでなんでこんなことに。だよ、って、何ですか貴方。
「また、内緒を増やしに来るからな」
去り際の緋色の後頭部に向けて、羽毛枕を思い切り投げつけた。
■どんな手管を使ったのか知りたい。
いつも手馴れていた。駆け引き、ジェラシー、思わせぶり。追って追われて、惚れさせる。楽しいゲームだった。
だがあいつを相手にしてから、追えばすり抜け、引けば風に佇む、細くともしなやかな秋桜のようで。
追いかけるのには慣れている。
けれどそこにあるものを、ただ慈しむ方法を知らない。
■花を愛でたい気分だった
俺の横で眠るリュミエール、というのが新鮮だ。
経緯が経緯なので、関係があっても一緒に眠った事はなかったし、ましてや愛してるなんて言われた事は
「…愛してます。オスカー…」
…おい。初めてのその言葉が寝言か?
しかも半分以上「むにゃむにゃ」に埋もれてるし。
……滅茶苦茶、嬉しい。
■「Selfish Gene」の後日譚的に。このお題が出た頃は徹頭徹尾身体の関係だけで話が終わる可能性があった事を考えると、納まるところに納まってヨカタネー
ひとつ歳を重ねるという事は、ひとつ別れが近づくという事。
そう思うのは、こうやって私を祝うために集ってくれた大切な人たちに失礼だろうか。
重なりあう笑顔は、刹那の瞬間ではなく、今この時が過ぎても、何処に在ろうとも、私の記憶の中で力となって未来を拓く。
この想いの名は、きっと「永遠」。
■お題を強引にお誕生日記念化ですよ リュミ様おめでとう!
「…でも、本当に吃驚しました」
「悪かったな」
熟慮の末に応諾し、正直な感想を述べたら、そんな拗ねた返事が返ってきた。
「逃げずに誤魔化さずに、ちゃんと告白できたんだ。ご褒美を貰ってもいいくらいだと思っている」
横顔が赤い。あの常勝無敗の、炎の守護聖が。
…どうしよう。可愛い。
「お願いですから30秒だけ黙って」
沈黙を確認して。
「どう言ったら判ってくれるんですか。私だって貴方の事愛してる。愛してる。何処にも行かないでって醜い顔して泣き喚いたらいいんですか。どうやったら」
抱き締められて息が止まって、30秒経たないけど喋ってはいないから文句も言えない。
「往生際が悪いですね。私への恋情なんてただの錯覚。貴方が私に手を出したのは、ただ単に容易かったから」
「そんな事は…」
「今この場で錯覚が解けて、私が貴方の親しいオリヴィエに、もしくは敬愛するジュリアス様に戻ったら、貴方は何て仰るのでしょうね」
微笑まれ、幻惑されて、視界が歪む。
■世界の上下、もしくは裏表をひっくり返すような話が時々書きたくなる
「全くあやつは仕様のない」「同感です」
「…では、これから私が毎晩あの方と同衾して、毎朝起こして差し上げましょうか?」
「やめてくれ」
「やめてくれぬか」
「…と考えたら、朝寝坊くらい平和なものでしょう?(にこにこ)お呼びしてきますね」
……。
ゼ「あいつ、やっぱ恐えーよな…」
俺が知ったのは偶然で、すっげー悩んでたのも知ってたけど、心を決めて奴の所へ向かってったその背中に、やめとけ、って、どうしても最後まで言えなかった。
だってよ、すげぇ辛い顔してんのに、それでも幸せそうなんだよ。奴の事想ってるあいつ。
ちくしょー、断ったりしたら許さねぇぞ、オスカー。
僕が知ったのは偶然で、告白した側のあの彼よりずっと深刻に悩んでいたのも判ったけれど、心を決めたらしいその人に、やめたほうが、とは、僕が聖地を去る最後まで言えなかった。
僕より年上で後任だった彼らに、幸いあれ、と心から思う。
僕を大切にしてくれた大切な人を大切にしてくれよ、オスカー。
■別シチュエーションで、鋼二人。ルトゥールのCD聞いてないのですごく適当ですみません。
鍛錬に励む彼を見掛けた。
剣を振るうその姿を、綺麗だ、と想う。鍛えられた身体、類稀な緋色の髪、獲物を捕える鋭い氷青色の瞳。
紅潮したその頬は、だが私の姿を見れば一瞬で冷め切るのだろうから、遠巻きに。
…そこまで私を厭うのなら、いっそのことその剣で切り捨てて欲しい、とふと願う。
■この手のきりきりする設定があり得るのもオスリュミ
貴方が好きです、と告げられ、何の冗談だ、と答えた。
判りました、忘れて下さい、と言われ、それきりだった。
その意味が理解できるようになったのはずっと後だった。結局、何も判っていなかったのは俺の方だった。
いつの日かもう一度、今度は俺から。
まだお前は、待っていてくれるだろうか。
「どうして聖地には海が無いんでしょう。物足りない」
と、湖中で濡れた髪を掻き上げ嘆息している。
2人だけの休日で、薄着とはいえ着衣のまま飛び込み、珍しくつんけんとも言えるその態度は、だが悪くない。
「…何か仰いましたか」
「いや」
濡れた唇をぺろりと舐め、再び水へと身を躍らせた。
「宇宙はいつまで続くのでしょうね」
新しい宇宙へと大移動を果たした星空を見上げながら。背中には彼の暖かさ。
いつまでも続くのだとしたら、その意味は何なのだろう。
「ただの暇潰し。それでいいさ。」
裏腹の暖かい口調で。
「貴方に愛されることも?」
「そう。」
なんて幸せな、暇潰し。
じゃ、遠慮なく
と、いつか貴方は離れてゆくから
だから私は黙って
今はただ黙って優しい貴方に愛され
どうしたのと訊かれて
愛していますと答える
涙の訳を問われるけれど
その想いだけは真実だから
■オスリュミはうっかり縁が切れちゃいそうな不安定さがある
どういうつもりですか、と言われ、肝を冷やしていたら、俺の手を掴んだ手がぴたりと止まった。
沈黙の後、溜息を吐く。
「…どうした」
と聞いたら
「…指。冷えてる」
軽い神経原性のショック状態だが、そう呟くこいつの指も相当に冷たい。
「…反省してくださいね」
「判った」
骨の髄まで。
■ちなみに喧嘩の原因は、以前リュミに贈ったプレゼントのことを忘れてて同じ物を別の女性に贈っちゃったこと
「キスして」
「…今、ですか?」
観覧の最中で、皆がそちらに注目してはいるが、衆目の真っ只中だ。
ただ、彼の気持ちも判る。同じ物を見、同じ時を過ごす事。美しさと、迫る切なさ。そして私の普段の愛情表現が、彼にとっては物足りないのだろうな、と思う事。
首に腕を絡め、口付けを捧げた。
■お忍びで見に行ってる花火か、演劇か、ヅカか、シルク.ド.ソレイユか、公式に守護聖を招いての祭典か。最後だったらすごい(度胸が)。
守護聖である事を投げ出したくなる時がある。例えば、今日のような日。
「キスをして下さい。今すぐに」
それ以上の有無を言わせず、暴力的な程の力で抱き締められ、ここに少なくとも一人は同じ思いの人がいると安堵する。
どれだけ血を流そうが、痛みに支配されようが。
今、私と共に貴方がいる。
俺の止めの言葉に、さ、と、リュミエールの顔面から血の気が失せる。
その優雅な服の裏で、100%の敵意に全身が総毛立つ様すら見えるような気がした。
それでいい、と、冷笑を浮かべて満足する。
俺だけがこれほどまでに、己の業火に掻き乱されるのは理不尽だ。
お前のそれも、暴いてやりたい。
「お断りします」
「何故だ」
「大勢の中の一人ならそもそも不要でしょう」
「…お前だけだ」
「今のところは、ですよね」
「信用ないな」
「信じておりますよ。貴方が男性として大変に魅力的であると」
「浮気性、を言い換えてるだけじゃないのか」
「そうかもしれませんね」
先が長そうだ…
■会話だけでうだうだうだうだ話を続けて、何話目でようやく付き合えるようになるのか、ちょっと見てみたい。
第2話
「そりゃ長いこと犬猿の仲で居すぎた代償でしょ、どう考えても」
「ですよね」
「こいつが当てになんないのも同意」
「ですよね」
「…お前らな」
「そもそも、今、なんでリュミエールなの?」
「そうですね、話次第では」
…。
「雰囲気だけで口説いてきたの? 今までずっと」
…。
■仲の良い中堅大好き
「…理由はおそらく、ない。綺麗だとか、優しいとか、理由を付けられるなら多分、お前じゃなくても良かったんだろうと思う。
理由はないが、お前じゃないと駄目だ、と思った。」
「…なるほど。及第点ですね」
!
「では、今日はクラヴィス様とお約束がありますので、お返事はまた。」
…お預け?
■ちょっとはきゅんきゅんしようよ、リュミ様。
「矯めつ眇めつ、憂いに揺蕩うそなたも風情だな」
「…クラヴィス様」
「六分儀。鳴き砂。星図盤。水晶柱。細々と毎日よく続くものだ」
「…」
「そろそろそなたの館に、専用の部屋が出来つつあろう」
「…」
「先日の古ぼけた玻璃玉は、あの者の幼き頃の宝物であろうな」
「おやめください…」
「…耳元でそんなに溜息つかないで下さい。あと、少し痛いです。嬉しいんですか、辛いんですか。」
「判らない」
「…抱き締めていいか、って訊かれて、いいですよ、って答えただけですよ」
「そういうお前こそ、震えたり動悸が早くなったり。恐いのか幸せなのか、どっちなんだ」
「…判りません」
「そうですね。本当は嘘だよ、と言われる夢は今でも見ます。すみません」
「…」
「だけど、たくさんの言葉と誠意と贈り物と、幾許かの涙と、夜の温かさと、こうやって貴方の髪を撫でる心地良さを頂きましたから。もう、いいですよ。何があっても」
「お前だけだ」
「存じております。私もですよ」
水と炎のサクリアを同時に送る。それ自体は珍しい事ではないけれど、いつだって夢のようだ。
眼を閉じ、星と彼の気配だけに集中する。この時ばかりは私達の力も衝突する事がない。星を慈しむ想いは同じだから。
共鳴するふたつの力。
この瞬間、彼の強さを享受する事を、今だけは許されたいと思う。
優しさだけでなく、強さ、厳しさ、それから弱さ、不安、戸惑い、哀しみ、そしてなお潰えぬ優しさと強さ。
それを全てお前から学んだ、と告げたら
わたくしも同じですと言ってもいいですか、
と微笑われた。
仕方がない。操作機器はこちら側にあったのだから。
隔壁を閉じた後はなるべく動かず救援を待つが、酸素残量は時間の問題だ。
苦しくなる呼吸に、あの人の顔が思い浮かぶ。あの冷たい瞳に、それでも惹き付けられて止まず、次第に追い詰められてゆく感覚。
この想いだけ、此処で潰えてしまえばいい。
■また説明がえらく面倒なシチュエーションで、リュミちゃん走馬灯。
「…後悔しないでくださいね」
「する訳がない。絶対に」
「そうですか。それは良かった。本当に。
…わたくしは、しますよ。いつか訪れるその日に、貴方に必ず辛い思いをさせるのかと思えば」
「…」
「だから、せめて貴方だけは。後悔しないでくださいね。」
■成立後のありそうな会話を辿ってみました。
オリヴィエが同席していたとはいえ珍しく3人で飲み、警戒心も顕に澄ましていた顔が次第に笑い、火照り、意味もなくべたべたべたべた触ってきた挙句、あろうことか俺の腕の中でくーくーと眠っている。今だけ堪能しなよ、と極楽鳥は帰った。
髪。肌。重み。温かさ。
お前だけが寄越す、この胸の痛み。
■状況説明に字数を使い過ぎだけど、「べたべたべたべた」は譲れない。
宿直明け、行触れ、方違えで暫くの休暇を作り、嵯峨の別荘に引き籠って直ぐ、とびきりの禁色を久しぶりに堪能した。
「…ずっと憧れてた。大宮の歌合せ、十六のお前の舞を見た時から」
「…では、私の勝ちですね」
「?」
「ずっと憧れておりました。貴方が十五、春日祭の勅使に立たれた時から。」
■宿直はもちろん二人で任に付いてる訳ですよ。一晩中詰所に二人きりで悶々とするおすかぁ様と、悪戯しようとする手をぺしっとして「禁中ですよ」ってきりっとするりゅみ様
「触るな」
「……」
「触るなと言っている」
私の手を跳ね除ける、憔悴しきったその姿の、緋色の髪を両腕の中に搔き抱いた。
「嫌です。聞けません。貴方にそのように言ってもらえるのは、たぶん私だけでしょうから。」
■逆説としての炎水
足音が聞こえたので、遠ざかった。
知らない方が良いのだ。貴方も、私も。
この胸の軋みが、何を意味するのかなど。
何時もの甘い笑顔を捨てた、その真剣な氷青色の瞳は、余りに、恐い。
思いきり手を引かれて蹌踉めいて、気付けば貴方が目の前で。
「…判らないとは言わせない」
唇を塞がれた。
彼は最初からそんなことをする気は無かったのだろうと思う。
痛い程に抱き竦められて、どうしましたか、と訊く事も考えたが、そういうものなのだろうと思って結局はただ黙って為されるがままにしていた。炎の守護聖の身に起こる苛烈な体験は、私の安っぽい同情などを遥かに超えるものであろうから。
その痛さとは裏腹の優しい手付きで彼の手が私の髪を辿るけれど、彼がその手で本当に慈しみたかったのは、あの星の命。数多の人の命。
それ以上の生命を彼が救ったという事実は、きっと今の彼にとってなんの慰めにもなりはしない。
赤く染まる湖の方を向いて微動だにしないその背中が、全身が拒絶の意を示していた。
構わずに近寄れば、小さな溜息とともに薄く振り返った瞳の、逆光に光る涙。
そして身を踊らせた。湖へ。もう何年も前の、あの時の俺のように。
掴もうとした手は空を切り、俺もそのまま後を追った。
風と衝撃と激しい水音。泡立つ水面の中でその姿を探し、捉え、冷え始めた大気へと引き上げて、力の限りに抱き締めて。
目を合わせないまま、その唇を塞いだ。
「…まだ寝ない?」
背後から抱き締め、耳朶を噛んで言われても、白々しい、というか。
いいぜ仕事しててもと言って、書類ごと私を寝台へ運んだのは貴方。文章を追う私の躰を探り続けて。
溜息を吐いて書類を脇に避けたら、
「…散々焦らしてくれた責任は取れよ?」
…それはこちらの台詞です。
■ただのえろ
俺の頭を両手で抱え込み、猫可愛がりしては髪へキスを降らせ、くふくふと笑っている。今晩はまた陽気な酔い方をしたものだ。
「オリヴィエ、貴方も…」
おい。
オスカーに殺されるからまたねー、と去られて不服そうなその唇を塞ぐ。
「…妬いてる?」
「そうだ」
「…じゃ、貴方の好きにして。」
■ただのいちゃいちゃ
その1
「…そろそろ少しはデレてくれないか?」
「おや。冷たくされるのがお好きなのでは?」
「そりゃ、ツンのお前を押し倒すのも好きだがな」
(ぺし)「やっぱり冷たい水がお好みなようで」
「ベッドの中ではあんなに従順なのに、なぁ」
(ぺしぺしぺし)
その2
「リュミエールリュミエールリュミエール(ちゅうちゅうちゅうぎゅー)」
「…オスカー」
「なんだ」
「たまにはツンツンしてみてはどうですか。デレて下さい、と言う暇もないんですが。」
「そんな暇があったらさっさとベッドに連れ込むさ」
(ぺしぺしぺしぺし)
「…お願いです。何も喋らないで…」
そう言ったきり、震える手で俺に寄り添い、震える唇を俺に重ね、震える吐息を零して。
ただそれだけで身を翻して去ろうとした手首を掴み、驚愕に見開く目から目を逸らさないまま、深く深く口付けた。
何も喋るなよ。今更冗談だったとは、言わせない。
「おしゅかぁぁ」
リュミエールが原因不明で小さくなり犬猿の仲と思われたオスカーにしか懐かなくなってはや数日。
「リュミエール、早く帰ってくるから。いい子にしてるんだよ。」
涙に塗れるリュミエールをお預けなんて。
案の定行方不明になって案の定りゅみえーるの大冒険が始まるのであった
■変なのが湧いてきた
「お前に預ける」
「…これは何ですか?」
「ラブレター」
「…どなたへの?」
「お前への。」
「……」
「その気になったら、開けてくれ」
それは即ち、開けたからには断る選択肢のない告白。
あの日から、長かったような、短かったような。
ずっと考えて。
今日、 開けようと思います。